<敢えて、エビデンスではなく、院長の雑感>
マンジャロのダイエット治療はリバウンドが怖いとご相談を受けることが結構あります。
たしかに、どんなダイエット法でも、取り組んでいたものを止めるとなるとリバウンドするのはある程度当然かもしれません。マンジャロであっても当然その可能性はあります。しかしマンジャロの効果をきちんと理解できれば、できるだけリバウンドを抑えつつ薬を止める方法はあります。場合によっては他のダイエット方法よりもリバンドしにくくすることもできるかもしれません。
マンジャロやリベルサスなど、GLP-1作動薬(GIP /GLP-1作動薬)によるダイエットは、胃腸の動きを抑えたり、脳の摂食中枢に働きかけて食欲を感じにくくする効果を活かした方法です。(GIPの効果としては一部、代謝そのものを上げる効果も指摘されています。)
マンジャロやリベルサスを中止すると、再び食欲が戻って以前のように食べてしまい、結局体重が戻ってしまう経験がある方もいらっしゃると思います。しかし、その当時の経験をもう一度振り返ってみて頂きたい。
マンジャロやリベルサスを使っていると、胃腸の動きが抑えられ、いわゆる「胃が小さくなる」ような状態を実感している方も多いはず。少し食べただけで胃がいっぱいになって食事が入らない感覚です。食欲(空腹感)そのものも落ちているので、その少ない食事量であってもそれなりに食事への満足もあります。
ここでマンジャロやリベルサスを中止してみます。しばらくすると食欲(空腹感)が戻ってきて、また以前のように食べたくなるのですが、これまでの患者さんを見る限り、食欲の戻りに比べると、「胃が小さい」のはしばらく維持されて、少ない食事量で満腹になる傾向はしばらく続いています。あくまでも比喩として「胃が小さく」なっていると言っているわけですが、それでもマンジャロを中止した当初は、食べたいという食欲はあるのに、あまり食べられない、すぐ満腹になるといった状態が見れれます。
そんな時に空腹感に任せてついつい以前と同じくらい食べてしまうと、徐々に以前と同じ食事量が当たり前になり、結局リバウンドしていまいます。しかし、うまく満腹感に合わせたところの食事量で抑えておくと、徐々に食欲(空腹感)の方も落ち着いてくるのか、少ない食事量でそれなりに満足できるようになるようです。その結果治療を中止してもそんなに食事量が増えず、リバウンドの影響も抑えることが可能となります。
あくまでも、実際のダイエット治療患者さんの経験からのお話ですが、このようにリバウンドを乗り越える方法はありそうです。むしろやり方次第では、マンジャロはリバウンドしにくいダイエットとも言えるかもしれません。
少なくとも、リバウンドが怖いからマンジャロの治療は避けたいと思う必要は無いのではないでしょうか。